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とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)

指定管理者 徳島パブリック ・ビジネス株式会社 代表取締役 山田隆造様

設計時のコンセプトはどんなものでしたでしょうか?
2008年から始まったリニューアル工事は耐震性能の向上や市民の交流や文化・スポーツ施設として多くの方に親しみを持ち、利用していただく事が目的です。それには、耐震の補強材などが外壁に露出したりすると意匠だけでなく、街の外観を損なうことになると思いました。壁面緑化を取り入れることで、公共の建物として街並みの形成にも貢献できるのではないかと思いました。特に壁面緑化に利用する植物にはこだわり、徳島県内に自生する植物を用いて、徳島の自然の象徴とし、タイルや鉄にない優しさを表現しました。
2010年4月に、リニューアル工事が終了して3年経ちました。地元のランドマークとして親しまれているようですが、運営する立場としてどのような思いが、今ありますか?
第13回 徳島街づくりデザイン賞をいただきました。本賞は自薦ではなく市民の他薦で選ばれたという点で価値があると思います。一見、何気ない草木の、そのなに気ない感じがいい、デザイナーが徳島に自生する植物を意識したことが良かったのかもしれません。山の中腹をくり抜いたような、テイクアウトのカフェも斬新だと言われます。何より、ランドマークとしてのイメージが固定しました。徳島の壁面緑化をした建物といえば、トモニプラザと認識していただける程です。以前の建物名称が【徳島県青少年センター】であったため市民にとっては何をしている施設かわかりにくかったようですが、今は《壁に木がいっぱい植わっている建物》といえば、どこにあるどんな施設かを理解してもらえるようになり、待ち合わせの場所としても定着しました。
メンテナンスなどについては、どうですか?
灌水や肥料については、液肥混入機がついたシーズンタイマーで自動的に行っています。伸びすぎた枝葉の剪定、枯葉除去等、手の届く範囲は施設職員が適宜行い、造園業者に依頼して高所作業車を用いる剪定管理は年1回程度です。多品種(29品種)にわたる植物を植えているので、何気ないようでメンテナンスには特に注意を払っています。わからないところは、みのる産業の藤井さんに応援をお願いします。多少の手は掛かりますが、おかげで健全に維持できています。
壁面緑化について何か感想はありますか?
当施設には飲食店を併設していますが、飲食店内でのトラブルが一切ありません。壁面緑化に囲まれていると健康的なイメージが強いのか来店されるお客様の相にも影響しているようです。植物に触れていると、今までより、ずっと天気や温度、環境などいろんな事を意識するようになるので不思議ですね。春には花も咲きますし、夏には蝶などの虫もくる。鳥もやって来る。徳島は都会に比べると自然は豊かですが、こうして生態系を身近に感じることができる。修景効果だけでなく、利用するみなさんにそういった事を感じていただけるといいですね。目にふれるだけでやさしい気持ちになれる。精神衛生にもとてもよいと思います。